-The step of new age-小俣 史温
ユースの頃からコンペティターとして活躍し続け、LJC2023で見事に優勝を掴んだ小俣史温。今回の優勝によりクライミングアスリートとして大きな1歩を踏み出した彼のLJC優勝までの軌跡、普段のトレーニングなど新世代クライマーの今をインタビューしてきました。
―LJC優勝の感想を教えてください―
結果が出るまでは自分が優勝できるとは、ホントに思ってなかったんですよ、
だから優勝が決まった瞬間はホントに驚きましたね。正直言うと、あの瞬間は“優勝した”って実感が無かったです 笑
でも、応援に来てくれていた人もそうだしSNSのDMとかも“優勝おめでとう”のたくさんメッセージが来て、その言葉で「LJCで優勝できたんだ」って自分の中で答え合わせができました。
―クライミングはいつから始めたんですか?―
クライミングは小学1年生の時にB-PUMP荻窪店で始めました。
今でも練習はボルダー荻窪店、リードはPUMP2でやっています。
小学生から公式戦も含めて色んな大会に出ててました、リードもボルダーどちらも大会は出てたんですけど、自分の中で本格的にリードにフォーカスし始めたのは15歳、LJCに出れるようになった年ですね。最初のLJCは62位、次が19位と少しずつあがってはきたんですが、2021年に指を怪我して全然登れなくなっちゃって。
ー怪我からの復帰ー
それから、すぐ手術をして暫くは登れ無かった時期があったので、
回復してきてから一から練習を開始しました。
最初はボルダーで5級登るのもほんと大変で、難しいグレードには手を付けずとにかく本数を登って持久力を戻すことに徹底しました、3級登れるぐらいになってからリードも再開しました。少しずつ大会にも出るようになりましたが、思うように成績が残せなくて歯がゆかったですね。練習では調子が上がってきたと思って出たコンペで、思わぬミスで落ちたり、良いところで決めきれなくて、「自分ってコンペが弱いんだな…」って落ち込んでる時期もありました。
でも信頼してる人たちが「史温の普段の登りができれば絶対優勝できるよって」いつも言ってくれて、じゃあ後は自分がコンペに勝つことに集中して結果を出すだけだなって、前向きな気持ちに切り替えられましたね。
ー普段のトレーニングについて教えくださいー
普段は自分で練習する以外にカツさん※に技術的なコーチ、竹口さん※に
フィジカルコーチをお願いして教わっています。やっぱり一人で登っているだけだと考え方の視野も狭くなっちゃうんですけど、コーチがいることで自分の考え方が変わったり、駄目なとこを修正できるようになりますね。コーチだけじゃなく回りの環境にも凄く助けられてます。
僕、ほとんど荻窪かPUMP2しか行かないんですけど、スタッフの人が課題作ってくれたり、リードで集中したい練習の時付き合ってくれる人がいたり、凄く回りの環境にも恵まれてるなって思ってます。優勝した時も常連さんからおめでとうの連絡がたくさんあって嬉しかったですね。
※宮澤克明(写真左)
B-PUMP荻窪を拠点にトップアスリートをコーチしている
※竹口正範
五輪アスリートを含め幅広いスポーツ選手のフィジカルトレーナーを務める
ー最後に今後の目標を教えてくださいー
今年はWCで忙しくなりそうですが、その合間、合間でしっかりとリードの能力を高めていきたいです、これからの事は正直まだわからないですが、毎年WCで活躍できる選手になるのが当面の目標です。今シーズンは、まず1戦はWCで表彰台に立ちたいです!!
16歳とあどけなさも残る見た目とは裏腹に周りが驚くほどにストイックにトレーニングに向き合う小俣史温。今回のインタビューで聞けた自己評価も”謙虚”というよりは非常に”ロジカル”な印象を受けた。その反面、ホームジムでは常連やスタッフに愛される愛嬌のある青年。そんな小俣が、この先どんなクライマーとして成長していくか楽しみである。
Friction Labs Team/小俣史温
ユースの頃よりコンペティターとして活躍しLJC優勝を果たす。
高い持久力と強靭なフィジカルを駆使したリードクライミングはシニアのクライマーと比べても特筆する程。
クライミングシーンの新たな時代を担うであろう期待の世代の一人。
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